障がい者歯科
すべての方が等しく治療を
受けられるように
障がいを持たれている方は、「歯科医院に通って治療をするのが難しい」と思われて、むし歯や歯周病などを治療せずにそのままにされているケースも多いのではないでしょうか?
当院では、重度の障がいを持っている方に対する診療「障がい者歯科」を行っています。精神発達遅滞や自閉症などによりコミュニケーションが上手く取れない患者様や、協力を得られず治療を嫌がって暴れたりする患者様の診療にも対応しています。
養護学校や特別支援学校などの先生からもご信頼をいただいており、学校の先生や校長先生から保護者の方が紹介を受け、当院に通院される患者様も多くいらっしゃいます。
むし歯や歯周病は、進行するほど診療が難しくなり、また患者様の負担も大きくなります。そのため、お口の中の状態を管理し、適切な予防処置を行うことでむし歯や歯周病の発生や進行を抑えることができます。
むし歯や歯周病になる前に定期的に検診を受けることで、健康な歯の維持につながるだけでなく、歯科医院に慣れていただき、スムーズに診療を受けていただけやすくなります。
障がい者歯科の対象となる方
障がい者歯科の対象となる方は以下の通りですが、当院では特に重度の精神障がいを持っている方に対しても診療を行っています。
小児脳性麻痺などで歯科医院への通院が難しい方に対しては、ご自宅や施設などにおうかがいしての診療にも対応しています。
- 知的障がい者(コミュニケーションが上手く取れない方、治療を嫌がり暴れる方)
- 視聴覚障がい者(目や耳などが不自由な方)
- 肢体不自由(身体を自由に動かせない方)
- 心疾患 など
障がい者歯科に対する当院の取り組み
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患者様の協力が得られる場合は、一般的な歯科や小児歯科と同じ診療を行っていきます。障がいの程度によって、患者様に合わせた診療内容・方法を選択します。また、診療内容などについては、ご家族の方にも事前にご説明させていただいております。
患者様の協力が得られない場合や通常での診療が難しい場合、患者様の安全を第一に考え、静脈内鎮静法によって患者様が眠っている間に診療を行う場合もあります。
痛みを抑えた治療への
取り組み -
自閉症児への歯科診療・保健指導
- 共通のコミュニケーション方法をもつ
- 診療や指導に際した見通しを示す
- 視覚情報を有効に使う
- 歯科的問題行動の原因を常に検証する
- 療育者の療育と平行してすすめる(間食・甘味食品の適正摂取)
- 診療時の環境設定に十分配慮する(不要な刺激の遮断・待ち時間をなくす・他の患者との並行予約はしない など)
しかし、歯科医院だけでこれらのことを進めようとしても上手く行きません。家庭や学校で日常的に取り組まれていることが必要です。
また、患者様の情緒が安定している場合とそうでない場合は、診療室での対応が大きく変わってきます。私の患者様でも、過去に何らかの歯科的トラウマを植え付けてしまったケースでは、対応が非常に難しいことがあります。
また、自閉症の方が治療をする内容やどういったことを進めていくのかを理解しやすいように、下図のようなイラストも活用しています。